かがやん写真館

撮ってきた写真に 言葉を添えて…。

再び…2

 

生駒駅前の道から入り。

スナックなどが建ち並ぶ急な坂道を抜け、まだ序盤ながらも息が上がり、汗だくだくの私は、どうにか参道とはっきりわかる地点まできたのである。

 

生駒山の山頂へは、九分九厘行かない方向へ気持ちが傾いていた。

けれど。

ココまで来て帰宅してしまったのでは、なんのために朝も早よ~から電車に揺られてここまで来たのかわからない。ここは一矢報いるためにも宝山寺には行ってみせる。

 

汗で尋常ではないぐらいびちょびちょになり。

普段以上にひと目には触れてはいけないほど薄汚れてみじめな感じになってしまっている私はそう意気込んだ。

 

きっと男前ならば、汗だくでも爽やかに見えるのだろう。

外見の違いで、雰囲気は変わるものなのだ。

 

途中、山歩き風のひとりの女性が、私を見かけるや、こんにちはとあいさつをしてきたので、私もキチンとこんにちはと笑顔で応えたものの、内心では、今サウナから出てきましたって程、汗をかいているのが、恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかった。

 

と同時に、山歩きの時は、すれ違う他人に挨拶をするというルールがあることを思い出した。そういやぁ~そうだったのだ。

 

まだ街中のようではあるが、この道は確かにハイキングコースのようである。

 

ま、この時日はもう。私は山頂へは行かない方向であったので、挨拶ルールにしたがうこともないのだろうが。

 

ま、ま、知らない人に挨拶するってのも悪くはないのだ。

 

しかも若い女性だったし…。

 

素直にスッと挨拶を返せてよかったのだ。

 

にしても、よく汚らしい中年の私に挨拶をしたもんである。

いつも山歩きをしている習慣で、とっさにあいさつしてしまったのだろうか?

それとも視力が悪くて、私が超小柄なキムタクにでも見えたのだろうか?

謎である。

 

ということで、階段をひたすら上り続けた。

 

私は若い頃、運動をしていたので、知っていることがある。

汗を一度掻ききれば、体が軽くなってスーッとするということを。

つまりは、余分な汗を掻ききるということなのだ。

 

途中、息を整えながら、水分補給をしつつ、余分な汗を掻ききる時を待った。

しかしながら、汗は止まらず。手に持っていたカメラをつたって地面に滴り落ちるほどであった。

 

汗を掻ききるまで水分補給をやめるべきかもしらないが、午前中とはいえ炎天下。飲みながら汗を掻き掻き進むしかないのだ。若くもないので無理はいけない。

 

階段を上り始めて、すぐにお寺が見えるもんだと思っていた私の視界に…

 

 

ご覧の光景が広がった。

坂と階段のパレードである。

誰だ!こんな無茶な道をこしらえたのは!!

 

ここでまたココロが折れそうになった。

 

私の戦いはまだ続いたりする。

 

おわり